乳がん手術が決まったら、もしくは手術が終わったら、いつでも乳房再建は行うことができます。
乳房再建には自家組織を使う再建方法とインプラントを使った再建方法があります。
自家組織とインプラントのメリットとデメリットなどをお話しします。
自家組織による再建方法とは?
乳房再建手術では自家組織を使う方法と、シリコンインプラントを使う方法の2通りの方法があります。
私が入院していた時に乳がんサバイバーの方たちは、1人が自家組織、私含め3人がインプラントを選択していました。
自家組織を使う方法
患者さんの背中やお腹の筋肉を脂肪組織、またはお腹の脂肪組織を乳房に移植します。
放射線療法をした人や人工物(インプラント)を入れることに抵抗がある人に向いています。
手術時間は6~7時間で入院はインプラントより長めで1~3週間くらいです。
入院期間は病院によって異なります。
腹直筋皮弁法
お腹の筋肉、皮膚、脂肪に血管をつけた状態の組織を移植します。乳房のボリュームが比較的大きい人向き。お腹に30~40cmの傷跡ができます。
広背筋皮弁法
背中の皮膚、脂肪、筋肉に血管をつけた状態の組織を胸に移植します、乳房のボリュームの少ない人に向いています。
他に穿通枝皮弁法などがあります。詳しくは乳房再建にサイトで紹介されています。
ちなみに私は自家組織を使うのであれば「広背筋皮弁法」を薦められました(胸が垂れてて小さいってことかっ?!)
どうせだったらお腹の肉をいっぱい使ってほしいといったのですがNGでしたねぇ(笑)
自家組織を使った場合の画像を見せてもらえました。
自家組織の場合、大きくキズが残ってしまうのが難点でした。
でもメンテナンスフリーで、年齢を重ねた場合自然に下垂します。
自分の組織だから柔らかくあたたかい感触のおっぱいが作れるというのが最大のメリットです。
同じ手術日で再建手術をしたがんサバイバーの方は広背筋皮弁法を選択していました。やはり背中に大きいキズができてしまったそうです。
大がかりの手術だったようで、ドレーンの袋を3つぶら下げていました(ちなみに私は1つ)
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シリコンインプラントによる再建方法とは?
シリコンインプラントによる再建は、人工乳房を埋め込んで乳房を作ります。
インプラントはシリコン製でまるいおわん型やしずく型など患者の胸の形に合わせてシリコンの形を選んでくれます。
私もどんなインプラントが入ったのかはわかりません。手術前にインプラントを選んで用意しておくねと言われました。
手術方法は、ティッシュ・エキスパンダーを使う方法と使わない方法があります。
一般的な再建手術は、ティッシュ・エキスパンダーを使ってインプラントに入れ替える方法です。
ティッシュ・エキスパンダーと言って、大胸筋の下にエキスパンダーという皮膚を伸ばす器具を入れ、半年かけて生理食塩水を注入して皮膚と筋肉を伸ばした後、同じ傷口からインプラントを入れ替えて乳房を完成させます。
一方ティッシュ・エキスパンダーを使わない方法は、乳癌の手術と同時にインプラントを挿入して乳房再建を完了する方法です。
一般的なインプラントによる再建手術はティッシュ・エキスパンダーを使う方法ですが、私の病院では直接インプラントを入れる方法が可能なので、インプラント直接入れの方法にしました。
このように最新の医療を受けられたのはとてもラッキーでした!
シリコンインプラントのデメリットは、
- 硬く冷たい乳房になってしまう
- 合併症のリスク(放射線治療を受けた患者さんは血流が悪くなり合併症を引き起こしやすくなる)
- 将来的な入れ替え
ちなみに、将来的な入替えの件を主治医に尋ねたところ、入替は必要ないと言われました(ラッキー!)
形成外科によって違うと思うので、再建を希望する場合は、自家組織、インプラントそれぞれのメリットとデメリットの説明は必ず受けましょう。
インプラントが入った再建した乳房の画像を見せてもらったのですが、左右のバストが違う形にはなっていましたが、とってもキレイなバストに仕上がっていました。
まるで本物のバストのようでした。
自分のスタイルに合った再建方法を選ぼう!
私はインプラントによる再建方法を選択しました。
インプラントによる再建方法を選択した理由は、
- 手術時間が短い
- 傷痕がごく小さい
- 身体的負担が軽い
- 再建した乳房がまったくニセモノに見えなかった
からです。
自家組織を選ばなかったのは大きいキズができてしまうからです。
私の場合、再建の手術方法より手術日と入院日が先に決まっていたので、再建方法について調べたり深く考えずに決めてしまいました。
再建についてもセミナーで勉強したり、再建した人に直接話を聞いたりすれば選択が大きく変わっていたかもしれません。
まとめ
自家組織、インプラントそれぞれに特徴や留意点があるので、それらを総合的に判断して決めてください。
私はインプラントを選択しましたが、やってよかったなと感じています。